兄貴がミカエルになるとき
で、それがシェリルの社長の耳に入って「なら君が撮ってくれ。そろそろイメチェンしたいと考えていたとこだ」と、突然仕事をオファーされることになった、というのが今回のいきさつなのだ。

「これまでの品を保ち、歴史を感じさせながらも、人々がドキっとするようなインパクトを加えて欲しい」

「モデルの好みはあるか?」

「今言ったように品があること、鮮やかなインパクトを放っていること」

「国籍は?」

「関係ない」

ぶっちゃけ別にシェリル側は白人だろうが黒人だろうが黄色人であろうがハーフだろうが、気にしてはいなかったのである。

たまたま制作側が選んでくるモデルが白人で、そのイメージが長いこと紡がれてしまっただけのことなのだ。

私がモデルに選ばれたのは運がよかったというか、タイミングというか、そんな得体の知れない力が大きく働いた結果だろう。
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