兄貴がミカエルになるとき
時代はいつでも気まぐれだ。

あるときにはギリシャ彫刻のように彫りの深い顔が流行り、そうかと思えばのっぺりした表情のないセルロイド人形みたいな顔が好まれる。

体型だって胸もお尻もバツンバツンのグラマラスなタイプが人気かと思えば、板に浅い皿をかぶせた程度の薄っぺらい胸にカリカリの身体が受けたりする。

身長も175センチ以上は必要だなんて言われるが、少し前に誰よりも人気を博したトップモデルは身長167センチ。

野の花の茎のように細くて寂しげな女の子だった。

数年間トップブランドのアイコンとして街中の看板を飾り、雑誌のグラビアを飾っていたけど、私は彼女の笑顔を1度も見たことがない。


そして、その寂しげで、まるで成長が止まってしまったかのような華奢なモデルに飽きたのか、次に世界中を魅了したのは、バストもヒップも豊満で、筋肉もたっぷり付いたセクシー系のモデルだった。
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