兄貴がミカエルになるとき
人はいつでも何にでも、ひとつのものに執着することができない。

パパがよく言うように、饅頭を食べると次はせんべいがほしくなるのだ。

どんな好物だって食べ続ければ飽きてしまう。

だからトップモデルの条件だって、実はあってないようなものだ。

常に”今“求められるものだけが条件で、そして求められるかどうかは大衆の前にポイと放り出されなければわからない。

放りだされて初めて見る方も見られる方も、求めていたもの、求められていたものがわかるのだ。

人生ってすごく大事なことでも、けっこう賭けみたいなとこがある。

賭けて運に恵まれるか、背かれるか。

私の場合は気合のないまま振られたサイコロなのに、神様が運を乗っけてきたのだろう。

きっと面白いかも? といい加減にサイの目を合わせみたに違いない。
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