紫の花、青の出会い
あれから一ヶ月が過ぎた。
私と杉山は同じ係りなのに限らず、なんの接点もなく日々を過ごした。
休み時間には友達と鬼ごっこやらドッチボールやらで遊びまくって
授業中には次の休み時間には何をしようとか
そんなことしか考えてなかった。
今日、までは。
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「それじゃあ最初の席替えなので先生が背の順で振り分けちゃいますね」
『『ええええ~~~~!?!?!?』』
クラス中から不満の叫び。
このクラスになって最初の席替え。
せっかく楽しみにしてたのにまさかの先生が決めるとか…ひどいよ~…。
みんな口々に文句を言いながら
先生が黒板に書いた席のところへ机と椅子を移動させていく。
私はどうやら教室の真ん中の列の一番後ろのようだった。
席が前の方にあった分めんどくさい。
ずりずりと席を移動させる。
「よいしょ…っと」
席を移動させて黒板に書かれている場所か確認する。
よし、ここであってるみたい…
『…えっ』
お?なんだ?
隣から何かに驚いたような声がした。
チラリとそちらに顔を向けてみる。
って…え、まさか。
声をあげた奴とバッチリ目があった。
次の瞬間、私たちは同時に叫んでしまった。
「「ええええええええええええええええええ!?!?!?」」
一番最初の席替えで隣の席が、……おまえかよ~~~~~~~っ!!!
先生本当にお願いです、こいつだけはやめてくださいっ
目があった人物が自分の隣の席だなんて信じたくなくて何度も黒板を確認する。
しかし悲しいことに黒板には「円洞」と自分の苗字の隣に、同じ筆跡で「杉山」と書かれている事実は動きようのないものだった。
「嘘っ最悪…」
「は~、まじかよ~…」
今度は同時にため息をつく。
というかこいつに私が隣なのをガッカリされるとかなんかムカつく!
これから一ヶ月、こいつと同じ席だなんて…考えたくないよ…。
また私の持ち物に変なことされたらどうしよ。
壊れたりとかしたら親に言い訳考えるの大変だよ~。
半ば涙目で黒板をもう一度見る。
何度見ても私の苗字の隣には杉山と書かれていて、余計に悲しくなるだけだった。