紫の花、青の出会い
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下校の時間になった。
お腹のあたりがぎゅーっとなって足取りが重くなる。
帰らなくちゃいけない。
歩かなきゃ。
一歩、また一歩と前へ進む。
鳩尾のあたりがキリキリと痛くなってくる。
校門に向かって足を進めるたびに体の奥に鋭い刃物が入ってくるようだ。
「っ!早く帰らないと…」
私は鳩尾の痛みを誤魔化すようにがむしゃらに走って校門を駆け抜けた。
校門を出て左に曲がって、小さな坂を登る。
そのまままっすぐ進んだら大きな坂を下る。
そして道なりにずっと進んでいくと、青い屋根の家が見えてくる。
私の、監獄が見えてくる。
また明日の朝まで乗り切らなければならない。
明日も、学校にいけるんだ。
土日はまだこない。
大丈夫、大丈夫。
私はまだ、大丈夫だ。