月と星
試合が終わって、帰り支度をする。
勿論結果は勝ちだ。うちは強豪高だ。
色んなところから、強い選手を集めている。
私もその一人だ。
けど、人数も多いので、1年から試合に出られるのは珍しい。
だから部員のみんなはあまり私をよく思っていない。
「お疲れさまー。試合に出れるなんて凄いね。早香、本当に格好よかったよ。」
アイツを除いて。
星野奈緒。本当に変わった奴だ。
はっきり言ってバレーボールは下手くそだ。
でもなぜか誰よりも一生懸命だ。
そして、部員の中で唯一私に話し掛けてくる。
私は人と関わるのがあんまり得意じゃない。
一人でいる方が楽だ。
でもアイツはそんな私によく絡んでくる。
だが、不思議なことにそれがあんまり嫌だと感じない。