noid 美容整形
没個性





学内に一カ所だけある、屋上への階段を上る。
メインは妹なのに、何故か妹は私の後ろをついてきている。

今日は月に一回ある、学内での集団合同整形の日。
学内で、そんな事をやってるって噂は、本当だったらしい。

屋上へと続く階段は、既に整形手術を希望する人達で、溢れかえっている。
つくづく思うんだけど、そんなに流行りに合わせて、一体何が楽しいの?

整形手術の時間になり、希望者がゾロゾロと屋上に吸い込まれていく。
妹に付き添って、一緒に屋上に行こうとしたら、担当者の人に足止めを食らった。


……誰だ? あの担当者。
少なくとも、学内では見かけない顔だな。

見ず知らずの顔に、不信感が走る。
もっとも、その見ず知らずの顔すらも、整形手術で作り出された顔かもしれないけれど。

おまけに、妹の付き添いを断られた事で、私の担当者への不信感は最高潮だった。
嫌な予感がする。
というか、嫌な予感しかしない。

そんな不審な人間に、よく自分の見た目を預ける気になるなぁ。
そんな事を考えながら、妹の整形手術が終わるのを待っていた。
気付いたら昼休みは終わり、五時間目の授業が始まっていた。
授業、遅刻じゃん…。





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