彼と、お花と、お仕事と。


静かに海から上がり、そのままわたしは、自販機に向かっていた。



つもりだったけれど、ずっと止まらず歩いたせいで周りは、いつの間にか暗くなり、木ばかりが生えている林のようなところに来てしまった。



はっ!と気づくと、もう恐怖で足が竦んでしまった。




(和さん…和さん……!!)



心の中で、助けが来るのをずっと、待っていた………






すると、



『咲桜ちゃーん!どこ?咲桜ちゃーん!!』


そう叫んでいる、和さんの声が聞こえ始めた。



今すくにでも、和さんに会いたいけど、立ち上がることができないほど、力が抜けてしまっていた。


(た、助けて……和さん!)

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