彼と、お花と、お仕事と。
プレゼント
《和side》
5年前…
(青空Flower shop)へアルバイトとして高1の時に入った。
その頃、俺は学校で普通の人よりモテていて、普通の人より友達が多かった。
それに、雑誌でモデルもしていたから余計だ。
もちろん、彼女とかはいた。
けれど、隣の家にいる咲桜ちゃんに出会って
なんか、暖かみがあってホットした。
しかも、すごく可愛いしスタイルもいい。
モデルとか、やったらいいのにと勧めたこともあるけれど、完全に拒否された。
それから、俺はお花屋さんのアルバイトの度に咲桜ちゃんに会いに行っていた。
けれど、あの女が現れてから俺の人生が一気に狂った。
「…安藤 美沙枝……」
バイト中だから、こんなこと考えている暇なんてないんだけど、咲桜ちゃんが聞きに来た、
『テレビ出演』のこと。
本当は、違う。
美沙枝のせいで、恋もできない、テレビ出演できない、モデルもやめさせられた。
ただ、言いなりにならないと、咲桜ちゃんが傷つくんだ。
だから……
言いなりにならない訳にはいかない。