【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
「あっれ~
輝の姫さんが護衛1人でなにしてんの~」
ざっと30人のガラの悪い連中に囲まれる
みんな顔のいたる所にピアスがついていて
髪の色もど派手だ。
…まぁ私も金髪だし、龍もメッシュ入ってるけど
「…帰るところなんでどいてもらえますか」
そう言い放つ龍の声はいつもより一段階低い
「はははっき~み~おもしろいこというね~
…こんなおいしそうなエサ、逃すわけにはいかないね」
いきなり相手の話し方、雰囲気が変わった
「ちょっとついてきな」
リーダー格がそう言うとぐるりと周りを囲まれる
「ちっ…わかった」
そうして全く人のいない場所に連れてこられた
「それで、大人しく姫さん渡してくれたら
まぁ君にも危害は加えないけど。どうする?」
…この人、目が本気だ
「はっ、ふざけんな」
それでも龍は笑う
相手を馬鹿にしたように、挑発する
「龍…」
不安になって龍の服の袖を掴むけど
「大丈夫だから」
そう言ってこっちを向こうとしない
「それじゃー遠慮なく。」
「姫、逃げろ」
「………でも、龍!」
「いいから!どけ!」
その言葉と共に体が後ろに傾く
そして
「………やれ」
「「「「うぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
大声とともに龍に向かっていく集団
バンッ!!
ドゴッ!!
人を殴る音がこだまする