【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
ん…
この匂いはなんだろう?
鉄…いや、錆かな
それに右半身に伝わる冷たい感覚
「んっ…」
うっすら目を開けると
チカチカする照明に鉄骨がむき出しの天井
ここはどこだろう?
ゆっくり体を起こすと
「痛っ…」
背中に激痛が走る
それでも上半身をやっとのことで起こす
…そうだ!コンビニの帰り男たちに囲まれて
それで…それで…
そうだ、龍が!
「龍!どこにいるの!?」
思わず叫ぶと部屋の隅の何かがぴくっと動いた
まさか!
「龍!!」
無我夢中でそれに駆け寄る
背中の痛みなんて気にしなかった