【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
「それから私は祐と愛華の家に連れてかれて
ずっとお世話になってる
…つまり…今の親。
私の本名は結城 紅愛。」
今も思い出す喪失感
可哀想なやつだって思うかな
そんなことを考えて自嘲的に笑う
「…俺は」
翔が口を開く
私が話している間は終始無言で
表情を伺うことはできない
「お前の存在が邪魔だと思ってた」
「…っ…うん」
わかっていた事だけど
実際に聞くとやっぱり少し傷つくかな
「少し優しくしてやれば女なんかみんな落ちた
…だからお前も落とせば輝を危険にさらすこともない
それで輝も石も守れるんなら。
従わせるのなんて簡単だと思ってたんだ」
そこまでいうと翔はゆっくり顔を上げる
「お前に冷たくしたのもそのせい。
…けど、お前は他の奴とは違う
俺たちが守ってやる」