【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
広がる青い空に大きい入道雲
肌に突き刺さるような鋭い日差し
必死になくセミの声
怪我が完治して退院する頃には
夏も半分過ぎようとしていた
入院している間に日は過ぎて夏休みまで残り1週間となった
そしてあの、気配のこと
翔の言った通りその日からは護衛がついた
けれど、あの時以来もう同じ気配がすることはなかった
この学校の女子は不思議だ
ピンクやオレンジの髪の毛に
……見えそうなほど短いスカート
キーホルダーだらけでじゃらじゃらしてるカバン、携帯
なのに
「西条さ〜ん、怪我大丈夫〜?」
「あ、西条さん久しぶり!」
「おはよう!」
言葉遣いが清楚…とまではいかないけど、よくて
化粧もナチュラルだ
…なんというか、不思議
理由を聞きたい気もするけど
うーん、怒らせそうだし
結局
「おはよう」
そう返して席に座った