【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
「だから、俺にあった事を聞いて欲しい」


俺にあった事って過去のこと…だよね


女嫌いのナギサが女の私にここまで話してくれるってなかなかの進歩


「うん。」


そう返してナギサの言葉を待つ


「俺が、小6の時…………











くそ、だめだ言えねえ」


ナギサは悔しそうに拳を握る


…なんとなく予想通りっていうか


「男を女嫌いにするってことは


かなり嫌なことがあったからだと私は思う


それに、言わなくて正解だよ」


「…は?」


私はそこまで言うとナギサと目を合わせて笑う


「話そうとしてくれたのは嬉しいよ


けど、言ったところでさ私にその過去を消すことはできない


わかったふりして正論を並べるのも…おかしいから」


「そう…だな」


「それにさぁ、同情しないなんて無理


さんざん同情なんてされたと思うけど


やっぱり辛かったねって言ってあげたいしさ




でもこれだけは覚えといて?


私はナギサの過去がどんなであろうと軽蔑なんかしないよ」
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