【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
蒼…桜…?
あの滅多に姿を見せないアイツらが?
そして、紅愛が自分が入っていると言った族
ただごとじゃ…ないな
「わかった」
そう呟いた声は予想以上に低く
龍の肩がぴくっと上がったのがわかった
「俺らは?」
「下にいろ
幹部全員に連絡をとれ」
「わかりました」
いったい、何の用だ…
思い当たるとすれば紅愛の事だけ
…もしかしたらいるのか?
淡い期待と共に俺は階段を降りた
…入口には黒髪の男が4人立っていた
俺を見た瞬間目を細めたのがわかる
あきらかに怒っている
…俺達は何かしたのか?
疑問が拭えないまま男達に歩み寄った
「どうも。初代蒼桜副総長の一条遥斗です」
「幹部、月峯來愛」
「同じく幹部!雨宮 楓〜」
「陣谷 千歳、幹部だ」
「輝15代目総長、桐島翔聖
何の用だ」
「は?とぼけてんなよ
紅愛の事に決まってんだろ」
…やはり紅愛のことか
見る限りここにはいない
だがその要件ってなんだ?
もしも、紅愛がスパイなら
…蒼桜と抗争になるのか
俺は眉をしかめた
「…千歳」
副総長は幹部を一瞥した
「わあったよ」
すると幹部は口を噤む
なんか透真を見てる見てえだ
そんなことを考えていると
「今日は協力して欲しい事があってきました」
副総長が俺に向き合いそういう
協力?
てっきり宣戦布告かと思ってたから面食らった
「案内する」
目を逸らし言うその姿は痛々しい
なにやら話が複雑そうだ
立ち話もなんだし俺は会議室に通した