【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
「あ」
会議室をドアを開けると
珍しく静かに座っている輝の幹部達がいた
俺達が姿を見せると軽く会釈を返す
「それで、今日は何の要件で?」
全員の自己紹介が終わると
向かい合って座り進行は透真に任せた
俺は喋んのすげえ苦手だからな
透真の言葉にお互いの顔を見合わす蒼桜
しかし全員が頷くと意を決したようにこう言った
「…紅愛を探して下さい」
「え?」
声をもらしたのは泉
声には出さないがかなり驚いている
もちろん、俺も
紅愛を探すってどういう事だ…?
「紅愛は蒼桜のメンバーだろ?
めっちゃ嘘くせえんだけど」
蓮が目を細め睨みつける
するとすかさず蒼桜も立ち上がった
「あ?ふざけんな
俺達は真面目に言ってんだよ!」
「はっどうだかな
だったらそっちは何で総長いねえんだよ?
ただの腰抜けか?」
「……っ…………てめぇ!
総長を馬鹿にすることだけは許せねえ!」
「は?だって抗争の時だって出てこねえじゃん」
「ふざけんな、総長は俺らを影で
ずっとずっと守ってくれてんだよ
侮辱すんのはやめろ」
「じゃあ何で出てこないのか理由も言えるよな?」
「…それは…」
「つまんねえ」
それは確かにそうだ
あきらかに総長がいないのは怪しい
蒼桜は総長が出ない事で有名、だけど
こんな時でも来ないのか?
「遥斗…どうするの?」
「信じてもらうには言うしか…」
「でも、そんな勝手にいいのかよ」
すると蒼桜は話し合い始めた
蓮はもう興味が無くなったようにそっぽを見ている
しばらく経つと蒼桜は緊張した面持ちで俺達の方を向いた
「俺達…蒼桜の総長は
紅愛なんだ」
「「「は?」」」
なに、言ってんだよこいつら