【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
なんでこうも上手くいかないことばかりなの?
ただ、幸せに過ごしたいだけなのに
人生がどんどん狂っていく
コンコン…
「紅雅様。そろそろお時間です」
「あ、はい」
その時、部屋のドアがノックされ
呼び出しがかかる
そして、私達の間にはきまずい空気が流れている
「ごめん、行くな」
「うん…」
紅雅は私の頭を撫で…
いや、撫でようと差し出された手は
空中で止まり、私に触れる事なく戻っていった
バタン…
扉が閉まる音は無駄に広いこの部屋に
大きく響いた
もしかしたら
私達の終わりを示すカウントダウンの
合図だったのかもしれない…
「はぁ…」
そして私はその場から動けずにため息をついた
あの日、あの事件から全てが変わってしまった
幼い笑顔でニコッと笑う紅雅の笑顔はいつしか
大人びた微笑に変わって
私も…
何に対しても"楽しい"
そう感じる事ができないでいる
それは石の影響なのか運命だったのか
私にはわからない…
だけど
それが紅雅の幸せなら?
それで前に進む事ができるのなら
私の我が儘なんて言っちゃいけない
私のためにずっと頑張ってくれてるんだもん
その位、いいよね?
でも、もしも紅雅を傷つけるような相手なら
絶対に止める
私はそう固く誓った
夜の20時頃、外が騒がしくなった
なんだろう?
窓を開けて見てみると丁度紅雅達が帰ってくるところで
「里桜さん、とっても素敵な方だったわ」
「そうだな。優秀で綺麗、
紅雅にはぴったりな相手だ」
下から親の楽しげな会話が聞こえてぎゅっと唇を噛む
里桜さん、とは紅雅の結婚相手だろう
…なんでなの?さっきまで紅雅に素敵な相手がいてほしい
そう願ってたのに
悲しい、だなんて
ただの嫉妬…
ベッドにダイブしてぎゅっと目を瞑った
その時、コンコンと控えめなノックが聞こえた
「はい?」
誰だろう?
みんな忙しく働いていたのに
私が返事をすると
ガチャッ
控えめに扉が開く
「………………っ!」
…そこにいたのはビシッとスーツを着こなし
中1とは思えない大人びた雰囲気を纏う紅雅だった
ただ、幸せに過ごしたいだけなのに
人生がどんどん狂っていく
コンコン…
「紅雅様。そろそろお時間です」
「あ、はい」
その時、部屋のドアがノックされ
呼び出しがかかる
そして、私達の間にはきまずい空気が流れている
「ごめん、行くな」
「うん…」
紅雅は私の頭を撫で…
いや、撫でようと差し出された手は
空中で止まり、私に触れる事なく戻っていった
バタン…
扉が閉まる音は無駄に広いこの部屋に
大きく響いた
もしかしたら
私達の終わりを示すカウントダウンの
合図だったのかもしれない…
「はぁ…」
そして私はその場から動けずにため息をついた
あの日、あの事件から全てが変わってしまった
幼い笑顔でニコッと笑う紅雅の笑顔はいつしか
大人びた微笑に変わって
私も…
何に対しても"楽しい"
そう感じる事ができないでいる
それは石の影響なのか運命だったのか
私にはわからない…
だけど
それが紅雅の幸せなら?
それで前に進む事ができるのなら
私の我が儘なんて言っちゃいけない
私のためにずっと頑張ってくれてるんだもん
その位、いいよね?
でも、もしも紅雅を傷つけるような相手なら
絶対に止める
私はそう固く誓った
夜の20時頃、外が騒がしくなった
なんだろう?
窓を開けて見てみると丁度紅雅達が帰ってくるところで
「里桜さん、とっても素敵な方だったわ」
「そうだな。優秀で綺麗、
紅雅にはぴったりな相手だ」
下から親の楽しげな会話が聞こえてぎゅっと唇を噛む
里桜さん、とは紅雅の結婚相手だろう
…なんでなの?さっきまで紅雅に素敵な相手がいてほしい
そう願ってたのに
悲しい、だなんて
ただの嫉妬…
ベッドにダイブしてぎゅっと目を瞑った
その時、コンコンと控えめなノックが聞こえた
「はい?」
誰だろう?
みんな忙しく働いていたのに
私が返事をすると
ガチャッ
控えめに扉が開く
「………………っ!」
…そこにいたのはビシッとスーツを着こなし
中1とは思えない大人びた雰囲気を纏う紅雅だった