【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
「あ、やっと帰ってきた。
…で紅雅君は?」
「紅雅は私と里桜さんに仲良くなって欲しいって言ってました」
足がすくみそうになるけど
紅雅のため。
「はぁ?無理。アンタ嫌いだもん」
「でも…紅雅はそれを望んでない!」
初めて敬語がなくなった
ここで負けちゃダメ。
「ふざけんな!アンタにアタシの何がわかんのよ!?
アタシの紅雅君を奪っといて偉そうに!
そんなんだから親に捨てられんのよ!
アンタなんか…生きてる意味無いのよ
死ね!」
里桜さんはヒステリックに叫ぶと
私に掴みかかってきた
「う………っ………」
首を締められ息ができない
視界はチカチカしながらボヤけて
段々頭がボーッとする
もう…だめ
逃れようとした手にも力が入らずぶらり下に下がる
「紅愛っ!!」
意識が薄れるその瞬間
大好きな声が聞こえた気がした
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「どうしてそんな事を言うの…?」
何だろうこれは…
「はっ、お前はいつでも來馬の事しか見てねえよな」
なにかの記憶?
「そんなこと…「ないなんて、言わせねえよ?」
「夜斗…言い過ぎだよ」
「ちっ…お前はいつでも紅羽と來馬の味方だよな」
「そんな…っ!違う!私は夜斗も大事だよ!」
でも…私はこの人達を知らない
ただの夢だろうか?
「あっそ。まぁ俺は月希の事なんてどうでもいいけどな」
少年の冷たく蔑むような目に少女の目に涙がたまる
「夜斗!月希に謝りなよ!」
「うるせえ!!お前らに俺の気持ちがわかるかよ!」
少年はそう叫ぶと走り去った
「私、夜斗に何がしたかな…」
「ううん。そんな事無いと思うよ」
そう言って少女は今にも壊れそうな儚い笑顔で笑った
そこでこの夢は終わりだった
でも
「moon stoneを…探して…
それは私の石で意思だから…
全ての真相はそこにあるよ」