【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~


「あ、やっと帰ってきた。


…で紅雅君は?」


「紅雅は私と里桜さんに仲良くなって欲しいって言ってました」


足がすくみそうになるけど


紅雅のため。


「はぁ?無理。アンタ嫌いだもん」


「でも…紅雅はそれを望んでない!」


初めて敬語がなくなった


ここで負けちゃダメ。


「ふざけんな!アンタにアタシの何がわかんのよ!?


アタシの紅雅君を奪っといて偉そうに!


そんなんだから親に捨てられんのよ!


アンタなんか…生きてる意味無いのよ


死ね!」



里桜さんはヒステリックに叫ぶと


私に掴みかかってきた


「う………っ………」


首を締められ息ができない


視界はチカチカしながらボヤけて


段々頭がボーッとする


もう…だめ


逃れようとした手にも力が入らずぶらり下に下がる




































「紅愛っ!!」


意識が薄れるその瞬間


大好きな声が聞こえた気がした











. ゜*。:゜. ゜*。:゜. ゜*。:゜. ゜*。:゜. ゜


「どうしてそんな事を言うの…?」


何だろうこれは…


「はっ、お前はいつでも來馬の事しか見てねえよな」


なにかの記憶?


「そんなこと…「ないなんて、言わせねえよ?」


「夜斗…言い過ぎだよ」


「ちっ…お前はいつでも紅羽と來馬の味方だよな」


「そんな…っ!違う!私は夜斗も大事だよ!」


でも…私はこの人達を知らない


ただの夢だろうか?


「あっそ。まぁ俺は月希の事なんてどうでもいいけどな」


少年の冷たく蔑むような目に少女の目に涙がたまる


「夜斗!月希に謝りなよ!」


「うるせえ!!お前らに俺の気持ちがわかるかよ!」


少年はそう叫ぶと走り去った


「私、夜斗に何がしたかな…」


「ううん。そんな事無いと思うよ」


そう言って少女は今にも壊れそうな儚い笑顔で笑った









そこでこの夢は終わりだった


でも


「moon stoneを…探して…


それは私の石で意思だから…


全ての真相はそこにあるよ」
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