【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



「んっ…?」


目を覚ますとそこは自分の部屋で、腕には点滴が繋がっている


随分と長い夢を見ていた気がしたけど





…って、ああ!あの不思議な夢




ほとんど不思議だったけど最後の言葉が気になってた


moon stoneを探せ、


それはつまり


それを探せばこの争いを止められるってこと?






わからない…でもどっちにしろ


真相はそこにあるってそういうことだよね


ラリマーとmoon stone


早く探し出さないと…。



そんな事を考えていると


ガチャッ


部屋のドアがゆっくりと開く





「あ…紅愛!?」


私の部屋に入ってきたのは


紅雅だった


「紅雅…」


「紅愛っ!ごめん、ごめんな…」


紅雅は弱々しい声で何度もごめんなと呟く


こんな弱った紅雅初めて見た…


「紅雅、謝らないで?私は大丈夫だから」


「でも…「バン!!!!」


紅雅が何かを言いかけたその時ドアが凄い音を立てて開いた


そして、そこにいたのはお母様だった


お母様は私を見るなりツカツカと歩み寄り













「この役立たず!!」


パシッ!!!!!




すぐに状況を理解する事が出来なかった


でも眉をひそめ私を睨みつけるお母様の表情と


左の頬に感じるジンジンとした痛みはやけにリアルで。



「母さん!紅愛に何するんですか!」


「当たり前の事よ!


大事な取引相手の令嬢、それも紅雅の許嫁を人殺しに仕立てて!


おかげでこっちは大損よ!?


祐さんもその件で休みを返上して会社に戻ってるのに


当の本人はここでのうのうと寝ているなんて許さないわ!」


お母様はヒステリックに叫ぶともう一度手を振り上げた


あぁ、殴られる


私はゆっくり目をつぶった



…だけどいつまで待っても痛みは来ない


うっすらと目をあけると


「………っ」


紅雅が鋭くお母様を睨みながら振り上げられた手を掴んでいた


「いい加減にしてください!!!」


紅雅は強い瞳でお母様を見据え声を上げる


「なんでそんなに紅愛を邪魔者扱いするんですか!?


確かに婚約の話は無くなりました、でも


それは里桜が紅愛を殺そうとしたからですよね


紅愛が悪いわけじゃない


俺は紅愛を邪魔者扱いするなら
















この家も里桜も必要ない!」
< 344 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop