【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~
5.輝と影
ピンポンパンポーン
『1-A西条紅愛
至急理事長室にきてください』
…奏矢の声だ
その放送を聞いてパッと離れる
「じゃあ…私行くから」
そう告げると
「あぁ。…明日また屋上に来い」
「…わかった」
そう言って保健室を出た
そして小さくため息をついて歩き出した
奏矢がいるなら…きっとあの人だろうけど
しばらく歩くと
"理事長室"
と、書かれた部屋の前に来た
奏矢は扉に寄りかかっていた
そして私を見つけると
「おう」
そう言って手を挙げた
「ごめん、待たせた」
そう言うと
「いや、じゃあ入るぞ」
ガチャ
奏矢は何のためらいもなくその部屋をあけた