「笑顔をくれた 」~ありがとうを伝えたい~
その間、美友も、パパとママと離れ、ずっと我慢してくれていた。

その寂しさはいつも伝わってきた。

「ママは赤ちゃんを産むために入院しているんだ」

まだ2歳なのに、ちゃんとわかってくれていた。

本当は寂しくて寂しくてたまらないくせに、言葉には出さずずっと頑張ってくれていた。

美友は美友で、寂しさと戦いながら、乗り越えてくれていたのだ。

うぅん、乗り越えていたのではなく、

「お姉ちゃんになるんだ」

そう自覚していたのかもしれない。

「面会の時、部屋を移動して会う事が出来る」

今日は待ちに待ったその日だったのに、そんな時に陣痛が来るなんて…。

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