七人のオオカミ★レイカ伝説~高校生活~
「で?昴流様の件はどうするか決めたの?」

今までの忙しいやりとりの中に対策法を考える時間なんてありました?
ないでしょ!!

「決めれるわけ無いじゃん。」

「あっははは!そうよねぇ~。」

豪快に笑う楓香。
この人、私のこと見捨ててるよね。
めっちゃ人事だし!!…まあ、人事だけど。
私は楓香を軽く睨んで教室から出て行った。

「あー!!!ほんとにどうしよ…一人じゃどうにもできないよ~」

屋上へと続く階段の隅で私はそう呟いた。

「大っ丈夫かい!?」

いきなり背後から声がしたので振り返った。
そこには見たことのない男の人が立っていた。
金髪の長い髪の毛を一本に結んでいる。
一見、不良そうに見えるけど優しい笑顔で私を見てる。

「あ、はい。大丈夫ですよ!!」

あんまり見とれすぎて返事が遅くなった。
格好いい訳ではないけど見とれはする。
ん??…見とれるってことは格好いいのか。

「嘘つけ~」

その人はそう言うと私の額にバチンッ!とデコピンをした。

「ったぁ~」

こんな強くて痛いデコピンを初めて受けた。
額は真っ赤になっていた。

「ほら!本当のこと言ってみ?」

今日、会ったばっかりの見知らぬ人に軽く自分の悩みを打ち明ける訳がない。
せめて…

「せめて名前だけでも教えてもらえません?」

私がそう言った途端、その人は固まった。
どうしたのか、目が点になっている。
結構、ぱっちりしてた目がここまで小さくなるなんて!!
写メでも撮っておくべきかな?
しばらくすると彼はハッとして話し出した。

「君さ、話し噛み合ってないよ?」
< 39 / 58 >

この作品をシェア

pagetop