七人のオオカミ★ﾚｲｶ伝説～高校生活～
吾廉と他愛もない話をしているうちに着いた。
神山家。

「大丈夫でしたか？」

「うん。」

「どうですか？私の安全運転は。」

「良かったよ。」

「ありがとうございます。」

吾廉は片手を添えて私に一礼した。
そして私は吾廉と家の鐘を鳴らした。

―キンコーン♪

静かに響く太く鈍いような音。
そして中から聞こえてくる声。

『はーい』

朝会ったばかりなのに懐かしい声。
お母さんだ。
扉が開くと目の前には驚いたお母さんの顔。
でも、すぐに顔付きが変わった。

「あら、麗華。遅かったわね。鐘なんか鳴らさないで入って来ればいいのに。」

冷たく言い放たれた言葉。
やっぱり心が痛む。
そしてお母さんは続けた。

「それにしても隣にいるのは誰？彼氏なの？彼氏さんも可哀想にね。どうせ麗華に口説き落とされた男なんでしょ？
ごめんなさいね。この子がどんなお色気を使ったのかは分からないけど彼氏なんて辞めた方がいいわよ？生意気な子なんだから。ま、こんな子に見とれてヘラヘラと着いてくる貴方もどうかと思うけどね。」

言いたい放題。

「ねぇ、お母さん…話があるの。」

私は勇気を出して話し出した。
なのにお母さんは睨みながら言った。

「なに？結婚でもする気？それとも妊娠した？面倒くさいことはやめてよね。話も聞きたくない。産みたいなら勝手にしなさい。結婚もしたいならすればいい。麗華なんて居ない方が楽だしね。」

傷ついた。
グサグサと心に刺さる太くて長い槍のように。
私がもうダメ。やっぱり話なんてできない。
そう思って地面に座り込みそうになったその時だった。
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