太陽に願いましょう




リアンと対面した後、ラハはリアンの自室に連れて行かれた。

そこで鎖は全て取られたが、代わりに片足にだけ足枷がつけられた。


正妻としての対応と、危険な異種族への対応。


相対的な対応をされるラハは特に混乱していなかった。

こうなることはわかっていた。



きっと王の臣下はもっと厳重に繋いでいたいのだろう。



だが、リアンはラハが執務室から連れ出される時にラハの周りを固めていた臣下にポツリと言った。

「ひとつの種族の姫だぞ。」

その一言で臣下の顔つきがサッと変わった。



冷たい王だと聞いていた。

彼の通り名は『月夜の皇帝』。


月夜のように冷たいのだろうと思っていた。


だが、対面した彼はそんな感じはしなかった。

国を思う、若き王。



何故、彼は『月夜の皇帝』と呼ばれるのか。



ラハは1人残されたリアンの自室で静かに膝を抱えた。




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