見つめられない
「ちょっと!大丈夫?!」

遅れて出社したらすぐに愛美が話しかけてきた。

雰囲気からして内容は分かっているようだ。

「うん。大丈夫。びっくりしたけどね。」

苦笑いで返すと

「いやいやいやいや!」

大事だろと言わんばかりに愛美が迫ってくる。
そんなにすごい剣幕でよってこないでよ…。



「とりあえずいいや。
仕事終わってから逃がさないわよ?」

そんな愛美の笑顔を見て、
逃げられないなぁと思った。

と同時に、

帰りも心配して一緒に帰ってくれる不器用な愛美の優しさに泣きたくなった。
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