見つめられない
帰りは人もまばらで座ることができた。
行きもこのくらいなら、痴漢もないだろうに。
「中村さんは最寄り駅一緒じゃん?
どの辺に住んでるの?」
「あ、えーと…」
説明をすると、青木さんと家が結構近くだった。
「いつも駅でしか会わないから逆方向なんだと思ってたわ。」
「ですねー2年くらいは電車で通ってるんですけどね。」
他愛もない話をしているうちにもう駅に着いてしまった。
「方向もわかったし、途中まで一緒いくか。」
一緒に帰れるって…
顔のにやけを我慢しつつ、平然を装って
「はい。」
って返事をした。
むしろ嬉しくてはいってしか言えなかった。
夜道を二人並んで歩く。
電灯で照らされる影。
それなりの距離感はあるけど
私たちよりも影は近い。
手を伸ばしたら触れてしまうのではないかって。
実物には触る勇気はないけれど、
影くらいは触れてもいいですか?
行きもこのくらいなら、痴漢もないだろうに。
「中村さんは最寄り駅一緒じゃん?
どの辺に住んでるの?」
「あ、えーと…」
説明をすると、青木さんと家が結構近くだった。
「いつも駅でしか会わないから逆方向なんだと思ってたわ。」
「ですねー2年くらいは電車で通ってるんですけどね。」
他愛もない話をしているうちにもう駅に着いてしまった。
「方向もわかったし、途中まで一緒いくか。」
一緒に帰れるって…
顔のにやけを我慢しつつ、平然を装って
「はい。」
って返事をした。
むしろ嬉しくてはいってしか言えなかった。
夜道を二人並んで歩く。
電灯で照らされる影。
それなりの距離感はあるけど
私たちよりも影は近い。
手を伸ばしたら触れてしまうのではないかって。
実物には触る勇気はないけれど、
影くらいは触れてもいいですか?