見つめられない

「…こっち」

え?と思ったら青木さんに引き寄せられた。

気づかないうちに自転車が来ていたようで。

「車道走ろうよ…。」

いなくなった自転車にぼそっという青木さんが面白いはずなのに。

引き寄せられたまま繋がれた手。

どきどきしてそれどころじゃなくて。

「…?行くよ?」

「あ、はい…。」

どちらから手を離すわけでもなく

さようならするまで繋がれたままだった。
< 41 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop