見つめられない
なにか言いたげな顔だったけど
わかった、といって取りに行ってくれた。



愛美から荷物を受け取って電車に乗る。

何事もなく駅に着く。


あぁ、私が送ってた日常ってこんなもんだったんた。

痴漢でちょっと変わったけど

根本的にはこうだったんだ。

なのに。

「…なんで涙がでるかなぁ…。」

なんで隣に青木さんがいないだけでこんなに寂しいんだろう。

なんで一人で電車に乗るのに違和感あるんだろう。

なんで電車の時間が長く感じるんだろう。


そんなことわかってる。

青木さんが好きだから。

ただそれだけ。
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