出会って1秒出逢いは1年
“ちとせside”
ん…
カーテンの隙間からの明るさに目を細める。寝返りをうとうと体を回そうとしたが
なんで?お腹の辺りに腕が回っている…。昨日、…………あ。
唯一の思い当たることを思い浮かべ、首を回して確認する。
「やっぱり……」
起きているときより幼い安心しきった子供のような顔で眠る千種。
起こすのは躊躇われて腕から抜け出すことに全力を注ぐ……だけど、抜けれない。
起きてるんじゃないの!?って思うくらいに緩まない。
仕方なく千種の顔の観察を始めることにした。寝返りはうてたから。
何回見ても、綺麗な顔してるなー
女装させたら似合うかも…想像したら笑えてきて少し笑い声が漏れた。
「ふふっ」
私の声に反応するように
「……ん」
重たげに瞼を上げて数回瞬きをした。
「おはよう、千種」
「ん、おはよ」
ぎゅうっと寝ていたときよりもしっかり抱き締め直される。
「千種ー、起きようよ?」
「もちょっと………このまま」
寝ぼけているのかいつもより素直な千種にそっと腕を回す。
「もうちょっとだけだよ?」
千種につられて再び眠りの国へと引きずり込まれた。