恋は盲目〜好きって言ってよ

なんて、魅力的な顔をするのだろう。


俺だけに見せる表情が愛しい。


からかい過ぎたのか彼女は別のお客の元

へ行ってしまう…少し、反省していると

別の女の店員が声をかけてきた。


甘ったるい声が鬱陶しい。


お前じゃない…彼女じゃなければ意味が

ないんだ。


ネクタイなんてどうでもいいが彼女を呼

び戻すとツンケンする態度がおかしくて

笑いをこらえるのが辛い。


今日は、これぐらいにしようか…


まだ、計画の序盤だから…

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夕方から雨が降り始めていたが家に帰っ

た時には外はゲリラ豪雨のようにひどい

雨だった。


彼女が心配で急いで駅へと向かうとやは

り、彼女は立ち往生していた…


近くのコンビニへと入った彼女を追いか

け自分も店へと向かう。


ビニール傘は売り切れ…

彼女は、ビール、おつまみ、カップラー

メンをカゴに入れていた。


無意識に彼女に声をかけている俺…


「太るぞ…」


他に言葉はなかったのか⁈


心の中で自分自身に舌打ちする。


案の定、彼女は怒ってしまう

彼女に嫌われたくない…

そう思うと彼女から無理にカゴを奪いレ

ジで会計する。


お金を払おうとする彼女…そうはさせな

い。


気をそらそうとなかなか止まない雨を理

由に自分のマンションに誘っていた…

驚き、怪しむ彼女…


それはそうだろう。


君は、見ず知らずの数回言葉を交わした

だけの男の部屋について行くような女じ

ゃない。


彼女が可愛くてさらに、怒る顔が見たく

てからかってしまう。


いい大人なのに子供みたいだよな…


「結構です」


怒って飛び出して行く彼女…

やり過ぎたか⁈

外は、まだ雨が激しく降っている。


慌てて追いかけて彼女の腕を捕まえた。


雨で濡れているせいなのか俺が泣かせた

のか?彼女の目は涙で溢れ、白い服が透

けて下着が見える。


彼女の豊満な胸が目立つ…


危なくて1人にさせておけない。


このまま濡れて帰せないだろう。


とっさに彼女の肩に上着をかけて胸元を

隠す。


この雨の中誰も見ていないだろうが、濡

れている彼女の身体は魅力的で俺自身が

犯罪者になりそうだ。


今すぐにでもぷくっとした唇に触れ、そ

の身体を抱きたいと思う俺。


そんな自分を戒め、彼女に着替えを貸し

て家まで送ろうと決意する。
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