恋は盲目〜好きって言ってよ
拓海サイド
この一週間、遠くから彼女を見ていた。
彼女がミス七夕に選ばれた日
計画を実行するために声をかけたいのを
我慢していた…
前もって飯島には101のミス七夕と合コ
ンしたいと話しておいた。
「珍しくお前から合コンしたいなんて言
うから何かあるんだろう⁈それも、ミス
七夕⁈」
いろいろ詮索され怪しまれる。
奴ならうまく段取りを取り付けるだろう
が正直に言わないと、こいつの事だ…計
画を邪魔してくるだろう。
仕方なくおおまかに話す。
「へぇー、お前がね‼︎やっと、本命を見
つけたんだ」
「うるさい…冷やかすなら無しでいいぞ」
「それは、駄目だろう。面白そうだから
…引っ張ってでも連れて行くって」
にこやかに笑う飯島。
面白がってやがる。
まぁ、とにかく当日が楽しみだ。
驚く彼女の顔が早く見たい。
飯島から、決行日が決まったと連絡があ
った…
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七月七日
まさか七夕の日に合コンなんて最悪だ。
飯島の策略だろう。
彼女の浴衣姿は綺麗すぎて誰の目にもふ
れさせたくなかった。
それなのにそのまま浴衣姿で現れた。
何人もいる女性の中で彼女が1番綺麗だ
った。
横にいる飯島が俺を見てニヤついている
…
チッ
別の言い訳を用意して話せばよかったと
後悔する。
しばらくこのネタでいじられるな…
席に着くなり自己紹介が始まる。
「松井 奈々です…」
合コン慣れしていないのだろう…うなじ
から頬までピンク色に染まる肌。
髪をアップしてうなじにたれている数本
の髪が男心をくすぐる。
同時に、独占欲が湧いてくる。
あの瞳も
唇も
肌も
その髪も
俺のものだと……
花村って女がミス七夕を当てろって言い
だした。
これも、想定内だ
俺が当てて彼女を独占するはずだった。
なのに飯島が台無しにした。
してやったりと笑う飯島。
余計なことを吹き込まなければいいのだ
が…
花村と言う女のマシンガントークと無駄
に多いボディータッチ。
甘ったるい声が耳障りだ。
だか、営業で鍛えた笑顔で乗りきれる。
話なんて聞いてられない…
飯島と彼女の話が気になって仕方ない。
「…飯島さん面白いですよ。かっこよく
て面白いなんてサイコーじゃないですか
。きっと、モテモテなんでしょうね…」