恋は盲目〜好きって言ってよ
無言のまま歩いていると掲示板に貼って
ある一枚のポスターを見つけた。
(これだ)
花火大会へ行こうと彼女を誘うが、素直
に「うん」と言わないのはわかっていた
でも、それはおまけだ。
俺がほしいのは…彼女の電話番号とアド
レス
それが、1番の目的。
無理に聞き出すべきか⁈
何か理由をつけて聞き出すべきか⁈
さて、どうする?
彼女にからスマホを有無言わさず出させ
て受け取ると、俺のスマホに気づかれな
いように転送する。
そして、俺の番号を登録して彼女に返し
た。
彼女から電話をかけるように仕向けるが
かかってくるだろうか?
今から連絡が待ち遠しい。
さて、彼女のマンションもわかった事だ
し、電話番号も手に入れた。
今日はこれで満足…ここまでにしよう。
「奈々ちゃん、おやすみ」
「おやすみなさい」
……まてよ
彼女は1度も俺の名前を呼んでいない。
なぜ、呼ばない。
俺の名前を忘れてしまったのか?
「俺の名前覚えている?」
「た、拓海さん…でしょう」
俺の名を恥じらいながら呼ぶ彼女が愛し
くて、繋いでいた手を引、唇にキスをし
ていた。
久しぶりの柔らかい唇…このまま深くま
で味わいたい。
理性が勝つが、離れ難くて彼女の下唇を
ペロッと舐める。
俺だけを思って過ごせばいいのに……
好きだよ。
今度は逃げるなよ。