恋は盲目〜好きって言ってよ

もしかしたら、怒っているかもと思って

いたから…


「約束なんて必要ないよ。奈々ちゃんの

来たい時にくればいい」


「えっ、いいの⁈いろいろ都合悪い事と

かないの⁈」


「なんでそう思うかな…俺には奈々ちゃ

んだけだよ」


赤面する私を見られなくて良かった。


きっと、拓海さんの顔を見れないもの。


「あーぁ、なんで電話かな⁈真っ赤な顔

の奈々ちゃんを抱きしめたいのに」


もう、それ以上言わないで…


恥ずかしすぎて今度、拓海さんに会えな

いよ。


「早く会いたい。いつ会える⁇」


直ぐにでも会いたい。


でも、まだ心の準備ができてない。


「今週の金曜日なら早上がりで、次の日

休みだからゆっくりお邪魔できると思う

んだけど、その日じゃダメ⁇」


「うーん…それまで我慢するよ。金曜日

部屋で待っててくれる⁇」


「うん」


「楽しみにしてる」


「部屋で拓海さん帰ってくるの待ってる

ね」


「おやすみ、奈々ちゃん」


「おやすみなさい」


ハァー

拓海さんの言葉を思い返してドキドキが

止まらない。


彼の言葉を思い返して信じてみようと思

った。

******************

約束の金曜日


朝、ロッカールームで早希と2人きり。


「奈々、あれから進展あったの⁈」


「うん、あのね…」


「………」


この間の電話での会話を話す奈々を黙っ

て聞いていた早希が口を開く。


「ハァー、何その甘さ加減。もう、惚気

よ。こっちなんて…」


「こっちなんて…って何⁇」


早希の顔を覗き込む。


「見ないでよ。なんでもないから…もう

、今日は飲みに行くわよ」


「えっ、今日⁇」


「何⁈用事でもあるの?」


「私、拓海さんと約束あるんだけど‼︎」


「…よし、拓海さんも呼んじゃいなさい

よ。もう、じれったい。この際、私がひ

と肌脱ぐから今すぐ連絡しなさい」


「来ないかもしれないよ」


「来るわよ」


その自信はどこからくるの⁈


早希に促され、拓海さんにメールする。


(突然でごめんなさい。今日の約束ですが

早希と飲む事になって拓海さんの部屋に

行くの遅くなりそうです。よければ拓海

さんも一緒にどうですか?)


直ぐに返信が返ってきた。


(いいよ。場所はどこ⁇)


早希がメールを覗き込み、ほらねって目

をしてニヤついている。


(近くのコンフォルトっていうお店です)


(仕事が終わったら合流するよ。でも、今

日の約束破ったんだからお詫びに何かし

てくれる⁇考えておいて)

「えっ…」


絶叫する私の携帯の画面を見て早希がか

らかう。


「お詫びしてだって…奈々、何する⁈奈

々からキスでもしたら喜ぶんじゃないの

。それとも、思いきって好きって言うと

か…」

「やだ…ハードル上げないでよ。きっと

、御飯作ってとかだって…」

はいはい…男心がわからないんだから

拓海さんも可哀想だわ。


2人の為にもやっぱり私がひと肌脱ぐし

かないわね。

早希の心中なんて想像もできない奈々は

1人、どうしようと考えていた。


「はい、はい。考え事は後回し…仕事行

くわよ」


早希に急かされロッカールームを後にし

た。


< 40 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop