恋は盲目〜好きって言ってよ

ーー
ーーーー

コンフォルト


昼はカフェで夜になるとバーにかわる。


お昼のランチも美味しいけど夜に出す軽

食も美味しいと評判。


もちろんお酒も豊富で夜のお店も素敵。


先に早希と2人飲み始めたけど、なぜか

飲むペースのはやい早希は早々に酔い始

めてからみ酒…


「奈々、あんたは愛されてるんだから自

信持ちなさい。会いたいとか抱きしめた

い。……極め付けに俺には奈々だけなん

て甘いセリフを吐く男だよ。ちゃんと愛

されてるわよ。……うらやましいぐらい

にね」


酔いが回っている早希の声は大きく、近

くの席に座る人たちが苦笑していて恥ず

かしい。


「奈々、聞いてるの?」


「聞こえてる。もう、声が大きいから…

…『声のボリューム落として』」


「拓海、お前マジすごいな〜」


背後から聞こえてる声。


この声は…飯島さん⁇


目が点になっている早希の顔は、私の後

ろから聞こえる声の主に釘づけになって

いた。


振り向くと、からかわれて少しムスッと

している拓海さんと楽しそうに笑ってい

る飯島さんが立っている。


2人は、隣りの席に腰掛けビールを注文

する。


「ど、どうしているの⁇」


早希の言葉に飯島さんは、(会いたかった

から)と微笑んでいた。


「で、拓海は、その甘いセリフをどんな

顔で言ってるの⁇」


笑いをこらえる飯島さん。


「お前、マジうざい」


店員が運んできたビールを飲みドンと大

きな音をたてテーブルに置いた。


「何、怒ってるのお前⁈」


「別に…お前に話ことなんてないからな」


拓海さんと飯島さんのやりとりに早希が

割り込む。


「拓海さん、奈々ったらその甘いセリフ

を言われてるのに自信がないみたいです

よ。この際、ここで奈々を安心させてあ

げて下さい」


「オッ、いいね。拓海、奈々ちゃん待っ

てるぞ〜」


冷やかす飯島さんに軽く蹴りを入れて悶

絶している隙に耳元で囁く。


「…………」


驚いた奈々は、真っ赤な顔で横の拓海を

向くと唇に軽くキスを落とす拓海。



口を開け放心中の奈々をイタズラが成功

した子供のように笑った。
< 41 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop