恋は盲目〜好きって言ってよ
やっと扉が開いて中へと滑り込むと、目
にはたくさん涙が溢れている。
扉が閉まるまで泣くものか…
閉じていく扉…
そこへ手が差し込まれ扉が再び開くと目
の前には息を切らした彼がいた。
どうして⁈
エレベーターの中から外へと引っ張られ
、あっという間に私の体は彼の腕の中に
包まれていた。
「なんで泣いてるの⁈」
頭上から低く優しい声が囁き彼の手が顎
にかかると顔が上に向けられ頬を伝う涙
を彼の親指が拭う。
「泣いてなんていない」
泣き顔を見られムキになっていた。
彼は、優しく微笑み顔を近づけてくる。
彼の瞳が私を虜にして息ができない…
ゆっくりと唇が触れ彼の指は頭部の髪の
間に滑り込み、しだいに頬を指が優しく
撫でる。
彼の唇は熱く、優しいキスから角度を変
えて何度も唇を塞いでいく。
もう、止まらない…
2人は熱を持ったまま彼の玄関に入ると
ついばむようなキスから徐々に貪るよう
に唇を求め深くなっていくキス。
しびれるような感覚が唇から体中に伝染
していく。
寝室に辿り着く頃には、お互いに服を脱
がし下着だけになっていた。
ベッドに倒されスプリングが弾む。さら
に彼が上に被さり体が沈んでいく。
もう、後戻りなんてできない…
彼の唇が触れる肌を刺激し、甘い吐息が
漏れ彼に身体を侵略され乱れていく。
触れる指が気持ちいい。
指と唇で何度もいかされ、もう限界にき
ていた。
目には涙が滲み、彼に懇願する。
「もう、ダメなの…お願い…」
彼は、顔にかかっているさらさらの髪を
かき上げ、熱い眼差しで見つめると、サ
イドボードから四角包みを取り出した。
口にくわえ破く姿が色っぽく目が離せな
い。
「…名前呼んでよ…拓海って」
「…た、拓海…」
彼は満足そうに微笑むと頬を伝う涙を舌
先で舐めとり耳元で囁く。
「ねぇ、名前は⁈」
「…奈々…」
耳元で彼は低い声で甘く囁く。
「奈々…もっと声を聞かせて…」
息も絶え絶えで彼を見ると彼も感じてく
れてるのだろう…彼の顔は色っぽく、甘
い息遣いに赤面する。
「やばいって…」