少しでもいいんじゃない?
第一話
春は泣きたい気持ちになる
何かが始まりそうで
誰かに会えそうで
5月の末、私は清水町に越してきた。
親は離婚し、母は2週間前に自殺した。
私はそれから親戚に引き取られた。
そして、今日から一人暮し…
私は清水荘で暮らすことになり、高校はそこから2.5㎞先の清水奏沙高校に通うことになった。
今日は引っ越し1日目、迷惑は絶対にかけない!!
私はベルを鳴らした。
「はーい」
ドアを開けて優しそうなおばあさんが出てきた。
「あの、おはようございます。今日からここに住まわせていただく花咲 呼羽音です。よろしくお願いいたします。」
私は頭を下げた。
「あら、あなたがこばとちゃんね。今日からよろしくね。私は木島 花夜かよさんでいいから。」
そう言ってかよさんはドアの方を向いた。
「どうぞこちらへ」
かよさんは中に入った。
「お邪魔します。」
私もあとに続いた。
靴を脱ぎ、トランクを横にして持った。
「あなたの部屋はここよ。同室者は、よりくんて言うの仲良くしてね。」
そう言ってかよさんはふすまを閉めた。
「やっぱり、六畳にしては広いと思った。
家賃も安いしそれくらいいいけど」
私は部屋を見渡した。トランクを置いて、カーテンを開けた。
早速荷物を広げ、片付けた。
「トランク1個分だと、やっぱり少ないかな…」
私の家は、借金の返済が沢山あった。だから私はあまり自分の物は持っていなかった。ほぼ兄のおさがりばかりだ。
何かが始まりそうで
誰かに会えそうで
5月の末、私は清水町に越してきた。
親は離婚し、母は2週間前に自殺した。
私はそれから親戚に引き取られた。
そして、今日から一人暮し…
私は清水荘で暮らすことになり、高校はそこから2.5㎞先の清水奏沙高校に通うことになった。
今日は引っ越し1日目、迷惑は絶対にかけない!!
私はベルを鳴らした。
「はーい」
ドアを開けて優しそうなおばあさんが出てきた。
「あの、おはようございます。今日からここに住まわせていただく花咲 呼羽音です。よろしくお願いいたします。」
私は頭を下げた。
「あら、あなたがこばとちゃんね。今日からよろしくね。私は木島 花夜かよさんでいいから。」
そう言ってかよさんはドアの方を向いた。
「どうぞこちらへ」
かよさんは中に入った。
「お邪魔します。」
私もあとに続いた。
靴を脱ぎ、トランクを横にして持った。
「あなたの部屋はここよ。同室者は、よりくんて言うの仲良くしてね。」
そう言ってかよさんはふすまを閉めた。
「やっぱり、六畳にしては広いと思った。
家賃も安いしそれくらいいいけど」
私は部屋を見渡した。トランクを置いて、カーテンを開けた。
早速荷物を広げ、片付けた。
「トランク1個分だと、やっぱり少ないかな…」
私の家は、借金の返済が沢山あった。だから私はあまり自分の物は持っていなかった。ほぼ兄のおさがりばかりだ。