姫 ~なくてはならないもの~
Ⅰ
生徒会長だったの……?!
ーさつき視点。
私立橘高等学校。全校生徒数約1000人。
中高とエスカレーター式の今日から私が通う高校。
私は、高校からなんだけどねっ。
宝生 さつき(ホウショウ サツキ)。今日からぴっちぴちのJKというやつ。
中学時代とは違うブレザーに身を包み、ソックスを上げ準備完了。
髪型はー、おろしたままでも良いか。
……ううん、やっぱり少し変えよう。
だって今日は、久しぶりに幼馴染に会えるから。
なっちゃんは中学から、橘に通っているためもう4年も会っていない。
肩より少し下くらいまでの長さの髪を高い位置できゅっと結ぶ。
「これで変じゃないかな?」
念入りに鏡で姿をチェックする。
う~ん、何かがおかしい気がする。
もう一度髪の毛をほどき、高い位置でポニーテールをする。
「よし、準備完了だ!」
ふと、時計を見るともう予定していた時間を5分もすぎている。
昨日、なっちゃんから連絡が来て入学式前にどうしても話したいことがあるから
早く来て欲しい、と言われていたのに。
どたばたと走って玄関に向かう。
「いってきまーす!!」