姫 ~なくてはならないもの~








   ・




 教室に戻っても、先輩や他のクラスの子がうちのクラスに来て


 やっぱり視線はなくならない。




 同じクラスの女子にはヒソヒソ言われるし


 男子も男子で私と距離を置く。




 もう、なんでこうなっちゃうのー?!











「ユイー、私あんたに姫譲るよ……」

「なっちゃんってまさか生徒会長の棗さんのことだったとはねー。まあ頑張りなさいよ」

「そんなの無理だよー……」











 ユイと席が前後で本当に良かったと思う。


 これでユイとまで離れていたら私は本当に一人だっただろう。





 自由席で良かった……。










「言っておくけどあんた全校生徒の憧れの的だからね?」

「そんなの無理だってばー……」

「橘だよ?美形揃いで他の4校よりも姫になりにくいって言われてるんだよ?光栄だと思いなよー」

「うー、もう寝る!!先生来たら起こして!」

「はいはい」













 こんなに視線ばっかり浴びてばっかりなんて無理!!



 そうおもった私は机に突っ伏し、強制視線遮断。



 私に姫何て絶対無理!!




 早く先生来ないかな~…………。




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