姫 ~なくてはならないもの~
ユイに手を引かれて一番大きな体育館にやってきた私。
集会とかはここで行われるらしく選挙の投票もここらしい。
ちなみに昨日の入学式もここだった。
体育館はすでに人でいっぱいだ。
だけど私が通ると自然と道が開く。
そんなに私嫌われているのかな…………。なんてちょっとショックをうけたけど
ユイがそばにいてくれるから大丈夫。
ユイの話だとHRはカットで、投票が終わった生徒から各自教室に戻るんだとか。
ステージの上には、1年生の男子の顔写真と名前が貼ってある。
…………――――――――あの人、カッコいいな。
「ねぇ、誰に投票する??」
「私は、あの子にしよっかなー?」
「おおの、あらた君?カッコいいよねー!!」
「私もあの子にしよっと!」
黄色のリボンをした先輩たちが、私が見ていた写真と同じ写真を指さして
きゃっきゃわいわいと騒いでいた。
大野新君、か。人気あるのかな――――――……??