姫 ~なくてはならないもの~
./ピンポンパンポ-ン
<<1年A組、宝生さつき生徒会室まで>>
ピンポンパンポ-ン\.
投票を終えた私たちは教室に戻っていた。
ユイと2人談笑中。
もうすぐ2時限目だというのにかかる放送。
授業さぼらせる気……?ま、まさかね~。
「ごめんユイ。行ってくるね」
「うん、いってら~」
ひらひらと手を振って生徒会室に向かう。
急がないと本当に授業遅れちゃうな、と思った私は廊下を走った。
運動神経は、そんなに悪くない方だ、と思う。
けどいっつも大事なとこでドジふんで転ぶ。
だから極力走らないようにしてたのに。
どたーん、っと大きな音をたてる。思い出すのはいっつも転んだ後。
転んで鼻を少しすりむいた私は、鼻をおさえて早足で生徒会室へと向かった。