姫 ~なくてはならないもの~





 学校に付くと、そこは人であふれていた。



 さすが1000人なだけあるなあ。






 えっと、なっちゃんとの約束場所はっと。




 確か、校門出てすぐのところで待てって言ってたよね。






 でもこんな大人数でわかるのかなー。






 辺りを見回しながら歩いていると、どんっという音が耳に入って


 気付けば周りの人よりも視界が低い位置にあった。





 ……転んだ?のか?











「ごめんなさい」













 咄嗟にぶつかった相手に謝る。



 ぶつかった相手は、私を見て舌打ちをした。













「っち。ぃってーな」















 ぎろっと私を睨み、ぶつかったであろう肩を押さえている。



 え、でもどう見ても転んだ私の方が重傷じゃないの?



 勿論私のよそ見も悪かったけど、でもお互い様って奴じゃないの?





 だから、不良は嫌なのよ……。













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