姫 ~なくてはならないもの~
中にはさっき見たソファより高そうな2人がけソファが1つと、1人がけが4つ。
真ん中にはガラスのテーブル。
それといくつかのデスクと椅子。
覗いているわたしに気付いたなっちゃんが此方に近づいてきた。
「もう来たのか、早かったな」
「用は何でしょうか?」
なっちゃんに声をかけられ室内に入る。
中にはなっちゃんの他に3人がいた。その中にさっきの会計さんもいる。
「お前、集計手伝えよ」
「は、はぁ??」
なっちゃんは表情を変えずPCを指さして言った。
思わず間の抜けた声が出る。
集計手伝えって、今??だとしたら2時限目は諦めるしかない。
ま、まさか本当にさぼらせる気だったとは……。
「私、勉強しないと……。てゆーか先輩たちも受けなくて良いんですか?」
「姫って授業免除なんだよね。姫というか役員みんな」
椅子をくるりと回転させ、こげ茶色の髪の頭の良さそうな人が答えてくれる。
青色のネクタイ。2年生。
なんですかその自由な決まりは。
ずるいな生徒会役員。
って、そうだ。ちゃんと言わないと。