姫 ~なくてはならないもの~





 そう決めてからもう何十分も経った。



 はぁあ~、こういうときちゃんと言える子になりたいよ。








 ./キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン


 作業を始めて2度目のチャイム。











「宝生さん、終わりそう?」

「はい!」

「じゃあ休憩しよっか」











 さっき私に授業免除のことを教えてくれた頭の良さそうな彼がお盆を持って奥の部屋から出てきた。




 その上には5つのコーヒーカップ。




 気のきく人だなあ。











「さつき、こっち来いよ」
「あ、うん」











 2人がけのソファに座るなっちゃんの隣に私は腰をおろす。





< 21 / 63 >

この作品をシェア

pagetop