姫 ~なくてはならないもの~
「宝生さん、コーヒー大丈夫?」
「はい。あ、あの、名前……」
「あ、俺、相沢 遙斗(アイザワ ハルト)。はい、どーぞ」
頭の良さそうな……相沢さんはにこっと笑って私にコーヒーカップを差し出す。
私は急いで頭を下げ受け取る。
「あっつい!!!」
思ったよりも熱いそれを私はおとしそうになる。
いや、落とすまではいかなかったんだけど。
そんな私に驚いてコーヒーカップを掴んだ相沢さんの手と私の手が重なった。
恥ずかしくて手を引っ込める。
「大丈夫?落とさないように気をつけてね」
相沢さんは笑顔で、テーブルの上にコーヒーカップを置いて
なっちゃんにもコーヒーカップを渡していた。
は、恥ずかしい。