姫 ~なくてはならないもの~




   ・






「さつきお疲れー」











 教室に入るとユイが私に声をかけてくれる。


 私はユイにかけよった。











「さつきまさかさぼるとはね~。先生には上手くごまかしておいたよ☆」










 グーサインを作って私に向けるユイ。


 さすが私の親友、ありがとう!!











「って、さぼってたんじゃないよ!!働いてたの~」

「へえ~、生徒会室で?」

「うん」

「そっか、姫。断るかと思ってた」

「断ろうとは思ってるんだけど言いだせなくて……」












 俯く私の肩をユイがばしっと叩く。



 驚いて顔を上げるとすぐ近くにユイの顔。













「断るなら早い方が良いよ。このままじゃ女子も黙ってないし……」

「だ、だよね~……」

「あ、あと今日のHRで委員会決めるって」









 ./キーンコーンカーンコーン












「やば、次科学室だよ!急ごう!」

「ぎゃ、待ってよー!!」












 走るユイを追いかけて、転んだことは言うまでもない。






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