姫 ~なくてはならないもの~
「それじゃあ1Aの委員長宝生で良いかー?」
先生が委員長の下に宝生、と書いてチョークをおいた。
「それじゃ宝生、あとは頼んだ」
「はーい」
私は、廊下側とも窓側ともいえない、
教室の真ん中の方の席を立ち、黒板の前へと向かった。
教卓の上に置いてあった資料であろうプリントを見る。
副委員長男女1名、書記2名(男女問わない)。
まずは、副委員長からだよねっ。
プリントから目線をあげる。
視線があつまっていた。は……恥ずかしい。
「え……えっと、えと……、ふ、副、副………」
「ちょっとー早く進めてよー」
「帰りたいんだけどー。もー」
「何言ってるか聞こえないんだけどー」
さっき私を推薦した少し明るめの髪色の3人が話を遮る。
恥ずかしさで顔が真っ赤になったのが自分でもわかった。