姫 ~なくてはならないもの~
「っせーな、ブス。チビが喋れねーだろ?」
廊下側。前から6番目。一番後ろの席。
ネクタイつけてない、ブレザー着てない、第2ボタンまで開けたYシャツ。
金髪に、よくわからないとこに沢山ピアスがついてて
しかも足を組んで偉そうに机の上に乗せている。
……大野、新、だ。
写真とは少し違う。ううん、少し何てもんじゃない。
めちゃくちゃ違う。顔は一緒なのに、こう、なんていうか
ちゃらい………。そして口が悪い。私のこと、チビって言った……?
けど、助けてくれたんだよね。お礼言わないとな。
「で、早く進めろよ。チビ」
「あ、えと、副委員長やりたい人。男女1人ずつ。推薦でもいいけど、立候補してほしい、な」
「はいはーい。私やるよ!」
ユイが元気よく手をあげてくれる。
助かるよ、ユイ。さすが我が親友!