姫 ~なくてはならないもの~
HRが終わって、みんなが帰りの準備をしていたときだった。
./ピンポンパンポーン
『今から名前を呼ぶ生徒は生徒会室まで。1年A組、宝生さつき、大野新…………』
う……うそーん。
いや、てゆか嘘であってほしい。
どうして1日に2回も生徒会室なんかに行かなくてはいけないだ!
いやでも逆にチャンスかもしれない。
私には姫なんかなれません。って。
務まりません。って。
そう言えば良いんだ。
そしたらきっと諦めてくれるよね、うん。
なんて考えているうちに生徒会室はもう目の前だった。
「よ、よし。入るぞ」
生徒会室の扉に手をついてふーっと息を吐く。
落ち付け、落ち付け、言えるよなつき!
扉の凹凸に手をかけ、がらっと開けた。