姫 ~なくてはならないもの~






 生徒会室に行くまでの道のりを全力ダッシュする。



 途中道行く人に変な目で見られたけどそんなの気にしてる場合じゃない!!





 ばたーんっと生徒会室の扉を開け、奥の部屋へと入る。









「すみません!!遅れました~!!!!!!」










 室内にいるみんなの視線が私に向く。



 あ~、もう本当、何やってるんだろう……。












「大丈夫だよ。宝生さん。それで、みんなに集まってもらった理由なんだけど……」












 相沢さんが説明を始めるなか、



 クリーム色のヘアーの昨日私を脅した彼がプリントを配布している。





 私は息を整えた。












「鈴森(スズモリ)さん、プリント一枚多いです」

「あ、ごめん。ありがと」











 にこっと微笑むクリームヘアーさん。


 

 鈴森、って名字なのか。容姿も可愛い上名字も可愛らしい。






 そういえばさっき鈴森さんに話しかけたのは、多分大谷くん。




 彼も呼ばれていたんだな。










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