姫 ~なくてはならないもの~
「え?本当になっちゃんなの?」
ザザッ『え?本当になっちゃんなの?』
「他の誰だって言うんだよ。つかもう切れよ……」
言われて気付いて通話をやめ、スカートのポケットにスマホを入れる。
なっちゃんが差し出した手に掴まり起き上がった。
いっつもなんで転ぶの私だけなんだろう……。
「で、なっちゃん、話って何………?」
「ああ、そのことなんだがー……「新入生の人は自分の教室へと向かってくださーい」
「あ、私クラス確認してない!!ごめん、また後にしよ!」
なっちゃんとわかれ、校内に向かった私。
「あ、ハルトか?やっぱ今年の姫はあいつで決まりだわ―――――……。」
なっちゃんがスマホを取り出して、そんな話をしていたなんて私は知る由もない。